外国人採用はベトナム中心から多国籍化へ|インドネシア人材が伸びる理由
外国人採用の現場では、長く中心だったベトナム人材だけに依存せず、インドネシア、ミャンマー、フィリピンなどへ採用対象を広げる動きが強まっています。
厚生労働省の「外国人雇用状況」(2025年10月末時点)によると、外国人労働者は257万1,037人で過去最多です。ベトナムは60万5,906人で現在も最多ですが、インドネシアは22万8,118人となり、前年比34.6%増と大きく伸びました。
つまり、ベトナム人材が採用できなくなったのではありません。企業側が「ベトナム人でなければならない」という前提を見直し、能力・経験・人柄を基準に多国籍で採用する時代へ移っているのです。
なぜ外国人採用は「ベトナム中心」から変化しているのか
1.ベトナムの経済発展で日本との賃金差が縮小している
ベトナムでは経済成長が続き、国内で選べる仕事や給与水準も以前より向上しています。優秀な若者にとって、日本だけが唯一の海外就職先ではなくなりました。
日本企業は「日本に行きたい人を待つ」だけでは採用しにくくなっています。仕事内容、給与、住環境、キャリア、入社後の支援まで具体的に伝え、候補者から選ばれる必要があります。
2.円安で日本就職と仕送りの魅力が相対的に低下した
円安が続くと、同じ円建て給与でも母国通貨へ換算したときの価値が下がります。生活費を差し引いた後の貯蓄や仕送りを重視する候補者ほど、日本で働くメリットを慎重に比較します。
ただし、円安だけが原因ではありません。ベトナム国内の発展、韓国・台湾・欧州など他国との人材獲得競争、候補者の価値観の変化が重なっています。
3.インドネシア人材の存在感が急速に高まっている
インドネシアは若い人口が多く、日本での就労に関心を持つ人材層も厚い国です。特定技能では、製造、介護、外食、建設、農業など幅広い分野で採用が進んでいます。
一方で、採用人数を増やすだけでは定着しません。宗教、礼拝、食事、生活習慣などを事前に双方で確認し、職場側にも分かりやすく説明することが重要です。
BIGLIGHTの企業ヒアリングでも約9割が「国籍不問」
BIGLIGHTが日頃の支援・商談を通じて接点を持つ約100社に採用条件を確認したところ、約9割の企業が「仕事に必要な能力と人柄が合えば、国籍にはこだわらない」という考えでした。
※これはBIGLIGHTの顧客・商談先への実務上のヒアリングをまとめた参考値であり、無作為抽出による公的な統計調査ではありません。
現場が本当に求めているのは、特定の国籍ではなく、次のような条件です。
- 必要な技能・経験がある
- 安全ルールを守れる
- 基本的な日本語で報告・連絡・相談ができる
- 長く働く意思がある
- 職場の仲間と協力できる
これからは「国籍基準」より「採用基準」を明確にする
| 比較項目 | これまでの採用 | これからの採用 |
|---|---|---|
| 候補者の探し方 | 特定国籍を優先 | 複数国から比較 |
| 選考基準 | 国籍・紹介ルート中心 | 技能・日本語・人柄中心 |
| 募集経路 | 一つの送り出し国に依存 | 国内外の複数経路を活用 |
| 入社後支援 | 全員に同じ対応 | 言語・宗教・生活背景も確認 |
| 定着対策 | 問題発生後に対応 | 面接前から期待値を合わせる |
インドネシア人材への切り替えだけが答えではありません。重要なのは、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、フィリピンなど複数の候補者を同じ採用基準で比較できる体制をつくることです。
多国籍採用を成功させるチェックリスト
- 任せる仕事内容と必要な経験を具体化した
- 面接で確認する日本語レベルを決めた
- 給与・残業・寮費・手取り目安を説明できる
- 宗教・食事・礼拝など配慮事項を事前確認する
- 現場責任者へ受け入れ方針を共有した
- 母国語を含む相談・定着支援体制を用意した
- 入社後1か月・3か月・6か月の面談計画を決めた
まとめ|外国人採用は多国籍化を前提に考える
ベトナム人材は今後も日本の外国人雇用を支える重要な存在です。しかし、ベトナム一国に採用を依存する時代から、インドネシアを含む複数国の人材を能力本位で採用する時代へ移っています。
企業が見直すべきなのは国籍ではなく、採用条件、面接方法、受け入れ体制、定着支援です。候補者から選ばれる職場をつくり、多国籍人材を公平に比較することが、安定した採用につながります。
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