HR Magazine

登録支援機関の選び方|見積書の読み方と「安さの罠」を現場から解説

公開 2026.09.23 BIGLIGHT編集部 約5分で読めます 0 views
登録支援機関の選び方と見積書の比較ポイント




登録支援機関の選び方|見積書の読み方と「安さの罠」を現場から解説

登録支援機関は全国で1万件を超えます。そのなかから自社に合う1社を選ぶのに、月額費用の一覧表だけを見ても判断はできません。

この記事は、実際に支援を行っている立場から、見積書のどこを見るべきか、契約前に何を聞くべきかを整理したものです。

先に結論:判断軸は5つだけ

判断軸確認する内容
登録の有無出入国在留管理庁の登録支援機関登録簿で番号を照合
支援の中身定期面談が対面か書面か、母国語対応の言語数
費用の透明性追加請求が発生する条件が文書化されているか
分野の実績自社と同じ分野・業務区分の支援実績
緊急時の対応夜間・休日の連絡体制と対応範囲


そもそも登録支援機関は何をするのか

特定技能1号の外国人を受け入れる企業には、義務的支援10項目の実施が求められます。自社で行うことも、登録支援機関に全部委託することもできます。全部委託した場合、支援体制の基準に適合しているとみなされます。

義務的支援には、事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保と生活に必要な契約の支援、生活オリエンテーション、公的手続への同行、日本語学習の機会提供、相談・苦情対応、日本人との交流促進、転職支援、定期的な面談と行政機関への通報が含まれます。

制度上の位置づけは登録支援機関を利用するメリットで詳しく解説しています。

費用の相場と、その差が意味するもの

費目相場備考
初期費用0〜20万円契約事務・事前ガイダンス等
月額支援委託費2〜4万円全国平均 約2.8万円
在留資格申請 代行10〜20万円月額に含む機関もある
緊急対応・通訳都度1〜3万円月額に含む機関もある


支援委託費の全国平均は月28,386円です。出典:出入国在留管理庁 特定技能制度運用状況

月1.5万円と月3万円の差は年間18万円です。一方、早期離職が1名発生すれば再採用に30〜60万円かかります。月額の差より、定着への影響のほうが金額として大きくなる構造です。費用の全体像は特定技能の採用コストを全公開で分解しています。

見積書で必ず確認する5点

1. 定期面談の実施方法。義務的支援の定期面談は3か月に1回以上です。対面で行うのか、オンラインか、書面のみかで、現場の異変を拾える確度が変わります。

2. 母国語対応の言語と体制。「多言語対応」と書かれていても、実際には翻訳ツール頼りという場合があります。ベトナム語・インドネシア語・ミャンマー語のうち、自社が採用する国籍の言語で、誰が対応するのかを確認してください。

3. 在留資格申請の代行が含まれるか。月額に含む機関と、別途10〜20万円を請求する機関があります。2026年の行政書士法の運用変更により、申請書類の作成を行政書士へ別途依頼する形が増えています。

4. 追加請求の条件。通訳が必要になったとき、労務トラブルが起きたとき、転職相談を受けたときに別料金かどうかを、契約書または見積書に明記してもらいます。

5. 解約条件と引き継ぎ。支援機関を変更する場合の予告期間、支援記録の引き継ぎ範囲を先に確認しておくと、後々の負担が小さくなります。

よくある失敗3つ

失敗1:登録番号を照合しないまま契約する

登録支援機関は出入国在留管理庁の登録簿で公開されています。番号と名称が一致するか、必ず照合してください。登録のない業者への委託は、受入機関側の責任になります。

失敗2:「丸投げすれば安心」と考える

全部委託でみなし適合となりますが、雇用契約の適正な履行、届出の提出、日本人と同等以上の報酬といった受入機関自身の義務は残ります。支援機関に委託しても、企業の責任が消えるわけではありません。

失敗3:分野の実績を確認しない

介護に強い機関と、製造業に強い機関では、現場で使う語彙も、想定されるトラブルも違います。自社と同じ分野・業務区分の支援実績を具体的に聞いてください。

BIGLIGHTの現場から

BIGLIGHTは名古屋を拠点に、250名以上の特定技能人材を支援し、70社以上の企業と取引している登録支援機関(21登-006596)・有料職業紹介事業者(23-ユ-302414)です。

支援機関を切り替えた企業から引き継ぎを受けるとき、共通して見られるのが「面談記録が残っていない」ケースです。3か月に1回の面談を実施したことにはなっているが、何を聞き、何が課題だったかの記録がない。これでは離職の予兆をつかめません。契約前に、面談記録のサンプルを見せてもらうことをおすすめします。

もう一つは、緊急時の連絡先が代表電話しかない場合です。夜間に入居先で水漏れが起きた、体調を崩して救急にかかったといった連絡は、平日9時から18時には来ません。誰がどの時間帯に対応するのかを具体的に確認してください。

契約前の質問リスト

  • 登録支援機関の登録番号を登録簿で照合した
  • 定期面談の実施方法(対面・オンライン・書面)を確認した
  • 面談記録のサンプルを見せてもらった
  • 自社が採用する国籍の言語で誰が対応するか確認した
  • 在留資格申請の代行が月額に含まれるか確認した
  • 追加請求が発生する条件を文書で受け取った
  • 夜間・休日の連絡体制と対応範囲を確認した
  • 自社と同じ分野・業務区分の支援実績を聞いた
  • 解約時の予告期間と記録の引き継ぎ範囲を確認した
  • 3社以上から同じ条件で見積もりを取った

まとめ

登録支援機関の選定は、月額費用の比較ではなく、支援の中身と費用の透明性、分野実績、緊急時対応の4点で判断してください。年間18万円の差より、早期離職1名の再採用費30〜60万円のほうが大きくなります。契約前に、登録番号の照合と面談記録サンプルの確認だけは必ず行ってください。

※費用相場は2026年時点の各社公表値、支援委託費の全国平均は出入国在留管理庁調査に基づきます。

支援機関の切り替え、見積書の比較についてのご相談を承っています。BIGLIGHT株式会社。無料相談はお問い合わせフォーム、またはTEL 052-908-7944(平日9:00〜18:00)へ。

よくある質問

登録支援機関に全部委託すれば、企業の義務はなくなりますか?
なくなりません。支援については全部委託でみなし適合となりますが、雇用契約の適正な履行、各種届出、日本人と同等以上の報酬といった受入機関自身の義務は残ります。
登録支援機関が本当に登録されているか確認する方法は?
出入国在留管理庁が公開している登録支援機関登録簿で、登録番号と名称を照合できます。契約前に必ず確認してください。
支援委託費の相場はいくらですか?
月2〜4万円が一般的で、出入国在留管理庁の調査による全国平均は月28,386円です。含まれる支援の範囲によって差が出ます。
定期面談はどのくらいの頻度で必要ですか?
義務的支援として3か月に1回以上の定期面談が求められます。実施方法が対面かオンラインか書面かは機関によって異なるため、事前の確認が必要です。
自社支援と委託、どちらがよいですか?
自社に母国語対応できる担当者と支援体制があるなら自社支援も可能です。ただし10項目すべてを継続的に実施する必要があり、多くの企業は委託を選んでいます。
支援機関を途中で変更できますか?
変更できます。変更時は支援計画変更の届出が必要です。契約前に解約予告期間と支援記録の引き継ぎ範囲を確認しておくと負担が小さくなります。
シェア: Facebook LINE X LinkedIn